塞翁が猫


捨てられた子だからでしょうか。ウチに来た時から家人が留守だと吠えました。
あまりに家人にしつこくするので分離不安じゃないかと疑いました。

1年前から体重が減り始めたので、治療食にして外出も禁止しました。
すると、数分おきに窓から窓へと同じコースをグルグル廻るのが日課になりました。

一時期は体重も安定していたものの、寒くもないのに鼻風邪ばかりひきました。
それでも若い男がウチに来れば、クネクネと腹を見せて喉を鳴らしました。

今年の夏に入ると体重が急激に減って、廊下の奥でオシッコするようになり、
見守り用にネットワークカメラを置いてみたら、それにもシッカリやりました。

食欲がないと気付いてから数日後、血のまじったヨダレをたらしました。
何も食べないので、獣医さんにとっかえひっかえ色々な薬をもらいました。

また、関節が痛むらしくスフィンクスのようにして頭を垂れていました。
獣医さんのアドバイスもあって強力な鎮痛剤を与えることにしました。

家人が寝ずの看病をしてくれていて、いまだに無理にでも餌を与え続けています。
それでも、貧血で鼻も肉球も白くなり、身体も固く小さくなりました。

ついに昨日、下駄箱の下の隙間の一番奥で冷たく動かなくなっていました。
声も掛けられないまま、獣医さんにステロイドと補液を打ってもらいました。

ステロイドの効果なのか1時間後には自分で水を飲みオシッコもしました。
ですが、注射の効果はあと数日で消えてしまうでしょう。

               ☆☆☆

しつこいとか吠えるとか、グルグル廻るとか廊下でもらすとか、
若い男が好きとか外に出たがるとか、いろいろ家人と頭を悩ませてきました。

ただ、白血病が発症してしまった以上、そんなことで悩む必要はありません。
もう元気な姿には戻らないし、あと何日もつかは神様しか知りません。

外で野垂れ死ぬんじゃなく、大好きなこの家で大好きな家人に看取られて逝こうね。
不治の病を無理に治そうとして苦しむより、心身とも楽ならそれでいいよね。

               ☆☆☆

とはいえ、デブでヤカマしくてチョイワルだった子が、まるで小さなボロ布です。
早く楽に逝かせると決めたのに、何かしてやれないかと焦っています。

クチにも顔にも出しませんが、おそらく家人の体力も限界を超えているでしょう。
ここで手を離したら最後。必ず後悔する。そう思っているのかもしれません。

獣医さんに連れて行くのは、飼い主の自己満足にすぎません。
そして、飼い主がボロボロになってギブアップするまでこの欺瞞は続くでしょう。

もう撫でてやってもゴロゴロ喉を鳴らすこともなくなりました。
むしろ、触られると痛いのかビクッとしてヨタヨタ逃げてしまいます。

いよいよという時は、抱いて庭へ出てみようと思っています。
その時まだ鼻が利けば喜んでくれるんじゃないかと思います。
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by 55bucchi | 2012-10-04 16:08 | 日記